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【活動報告】11/25埼玉県からの派遣でビオトープ指導に

  埼玉県環境部みどり自然課が所管する「みどりの活動支援補助事業交付金」に交付申請し、10月6日付で当団体の事業に対して補助金(254,000円)を頂きました。
 申請事業は、「熊井の森谷津田・休耕田ビオトープ事業」です。谷津田の耕作放棄地の一部を冬水田んぼビオトープにすることで、アライグマなどに脅かされない産卵適地の創出と産卵適地の分散を図り、合わせてタコノアシやキクモなどの希少湿性植物やトンボなどの水生昆虫の生息地の創出を図るのが事業の目的です。
 そのために必要な資材・消耗品として、生物モニタリングのためのトレイルカメラと共に、産卵期のアライグマ対策としての電気柵(農産物の獣害対策としてではなく、環境保全事業のための電気柵)も経費として認められました。
 隣接したビオトープ1号地では池の周りに木柵にネットを張るだけですが、ビオトープ2号地では電気柵を設置できることで、その効果の相互比較が可能になりました。
 また、ビオトープ1号地、2号地の周囲にある用水路には、同補助金で購入した枯葉防止ネットを応用した同団体発案オリジナルの「カエル救出装置」(詳しくは、4頁目掲載「森の中へ」を参照)を40カ所設置します。
 視察に来られたビオトープ管理士の竹花裕美子氏と県の担当者・町田茂氏に以上の事業内容を説明。竹花氏から「熊井の森は素晴らしい。もっと多くの人にその魅力を知ってもらいたいですね」と、今後の活動についての貴重なアドバイスをいただきました。現地視察後、かわせみハウスに寄っていただき補足説明し、ハト麦パンケーキを試食していただきました。
森の中へ ㉑
指に吸盤のないヒキガエルなどの救出作戦
カエルと言えば緑色で葉っぱや窓、自動販売機なんかに張り付いているアマガエルやシュレーゲルアオガエルをイメージする方が多いと思うのですが、そういったカエルが木や壁に登れるのは指先に吸盤があるためです。
 ところが熊井の森近辺にいるカエルの中では吸盤があるのは少数派で、ヒキガエル、アカガエルや同じ両生類の希少種のサンショウウオには指に吸盤がないため、垂直の水路の壁を登ることが出来ません。これらの吸盤を持たないカエルたちはアマガエルやシュレーゲルアオガエルに比べ大きく、熊井の森に暮らす生き物たちの重要な餌資源となっており、また害虫などを食べてくれるため、ヒトにとっても有益な生き物です。
 しかし、最近は水辺の乾燥化や乾田化、耕作放棄地の増加などで数を減らしています。そこで現在、石場沼の下流の休耕地をお借りし、水辺ビオトープを作りカエルやサンショウウオの産卵場所になったら良いと考え作業をさせていただいています。その一環として、森と水辺(田んぼやビオトープ)の途中にある水路に落ちたカエルやサンショウウオが伝って登れるような脱出装置(写真:黒い筒状のもの)をカエルやサンショウウオの産卵に関わる1月~3月の期間、水路の機能を邪魔しない形で設置できないものかと考えています。(愛場 結偉)

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